Figmaのプロトタイプ機能で作る「動くLPデザイン」
静止画では伝わらない“体験”を見せる
LP(ランディングページ)のデザインをFigmaで作るとき、
静止状態ではどうしても「動きの意図」や「操作感」が伝わりづらいものです。
そんなときこそ活用したいのが、Figmaのプロトタイプ機能です。
クリック、ホバー、スクロール、モーダルの開閉など
実際の操作に近い“動くデザイン”を再現できます。
「完成イメージを“動画ではなく体験”として共有できる」
これが、プロトタイプ機能の最大の強みです。
Figmaのプロトタイプ機能とは?
プロトタイプ機能とは、画面同士をつないで動作を再現するツールです。
リンクやアニメーションを設定し、ユーザーの行動をシミュレーションできます。
▶ できることの例
- ページ遷移(クリックで次の画面へ)
- ボタン押下でモーダルを開く
- スクロールアニメーション
- ホバーエフェクト(色や影が変化)
- スライダー・タブ切り替えの再現
静的なLPデザインが、“実際に触れるデモサイト”のように動き出します。
Step 1:プロトタイプモードに切り替える
まずは右上のタブから 「Prototype」モード に切り替えます。
画面上に青い矢印のような「接続ハンドル」が表示されればOKです。
設定の流れ
- トリガーを選択:クリック・ホバー・ドラッグ・スクロールなど
- 接続先を指定:どのフレーム(ページ)に遷移するか
- アニメーションを選ぶ:Smart Animate / Instant / Move In / Dissolveなど
これだけで、LPの各セクション間をスムーズに繋げられます。
Step 2:動くLPデザインの設計ポイント
▶ ポイント①:ヒーローセクションの「入り」を動かす
LP冒頭の“ファーストビュー”は、印象を決める最重要部分です。
プロトタイプ機能を使って、以下のような動きを追加してみましょう。
- スクロール開始時に文字がフェードイン
- CTAボタンがふわっと浮かび上がる
- 背景画像がゆっくりズームイン
Smart Animate を使えば、同じ要素を次のフレームでも配置しておくだけで、
自然な動き(フェード・スライド・ズーム)を再現できます。
▶ ポイント②:CTA導線の動きを強調する
「資料請求」「お問い合わせ」などのボタンに、
ホバー時のアニメーションを加えるだけでクリック率が上がります。
例
- Hover時に色を明るくする
- 少し拡大して反応を見せる
- シャドウで浮かせてクリック可能感を演出
ユーザーが「押したくなる感覚」を設計するのがUXデザインの第一歩です。
▶ ポイント③:スクロールでストーリーを作る
LPでは「下に進むほど理解が深まる」構成が理想的です。
Figmaの “Scroll animation” を使えば、視差効果(パララックス)や順番出しエフェクトも簡単に作れます。
例
- ヘッダーが固定される
- コンテンツが1つずつフェードイン
- 背景画像がゆっくり動く
実際のWeb挙動に近い動きを作ることで、デザイナーとクライアントの“完成イメージのズレ”をなくせます。
Step 3:アニメーション設定のコツ
Figmaのプロトタイプでは、「Smart Animate」 が最もよく使われます。
これは前後のフレーム間で同じレイヤー名の要素を比較し、
位置や色、透明度などの差分を自動でアニメーション化する機能です。
Smart Animateの活用例
| 動作 | 設定内容 |
|---|---|
| 画像をフェードイン | 前のフレームでOpacity 0%、次で100% |
| テキストをスライドイン | X軸を±100pxずらして配置 |
| ボタンをホバーで色変更 | 同じボタンをVariant化して「Hover」状態を作る |
Transition設定例
Easing → Ease out / Duration → 0.3s がおすすめ。
自然で心地よいスピード感が出ます。
Step 4:インタラクションをVariantで管理
ボタンやタブなど、状態が複数あるパーツは「Variant(バリアント)」 でまとめて管理しましょう。
例
- Button / Default
- Button / Hover
- Button / Active
この3つを Component Set にまとめ、
「Prototype」タブで「While hovering → Change to Hover」などを設定すれば、
クリック時の状態変化も滑らかに再現できます。
Variant+Smart Animate の組み合わせが最強です。
Step 5:動きのあるLP構成を作る
Figmaのプロトタイプを活用したLPデザインは、以下のような流れが定番です👇
- ファーストビュー(タイトル+アニメーション)
- 商品説明・サービス紹介(フェードイン構成)
- 実績・お客様の声(カードスライダー形式)
- CTA(スクロール時に固定 or フェードイン)
構成段階で“動きを前提”に考えると、完成後に修正するよりもずっとスムーズです。
Step 6:共有リンクで体験を見せる
完成したら右上の 「Share prototype」 をクリック。
リンクを共有するだけで、誰でも“体験型デザイン”を閲覧できます。
提案資料にも活用できる
- クライアント提案時に「完成版デモ」として見せられる
- 開発チームに「動作イメージ」を共有できる
- 自社プレゼン資料(ピッチ)にも応用できる
「静止画では伝わらない説得力」を手に入れるのが、プロトタイプ活用の最大のメリットです。
Step 7:実案件で使える応用テク
| 応用機能 | 使い方 |
|---|---|
| Overlay(オーバーレイ) | モーダルウィンドウを表示する |
| Scroll to | スクロールアニメーションを設定する |
| Delay | アニメーションのタイミングをずらす |
| Smart Animate Matching Layers | 同名レイヤーを自動補完する |
| After Delay | 自動的に次のアニメーションへ移る |
これらを組み合わせると、実装前の“体験設計”がほぼ完全に再現可能です。
まとめ:Figmaで“動くデザイン”を学ぼう
静止画デザインは“伝える”ためのもの。
しかし、プロトタイプは“感じさせる”ためのものです。
- 動きで情報の優先度を示す
- インタラクションで感情を動かす
- 体験でコンバージョンを導く
デザインを「見せる」から「体験させる」へ。
Figmaのプロトタイプ機能で、“動くLP”を設計してみましょう。
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