Figmaでバナーを作る練習法:Canvaとの違いも徹底比較

なぜ今、Figmaでバナーを作るのか?

SNSや広告で使う「バナー」は、デザイン練習に最適な題材です。
短時間で成果が見えやすく、デザインの基礎(構図・配色・フォント・視線誘導)を一度に学べるからです。

最近では、手軽にデザインできる Canva(キャンバ) が人気ですが、
プロ志向の人やWebデザインを本格的に学びたい人には Figma(フィグマ) が圧倒的におすすめです。

FigmaはUI/UXデザインツールとして知られていますが、
バナー制作の練習にも最適なんです。

この記事では、Figmaでのバナー練習法と、Canvaとの違いをわかりやすく解説します。

FigmaとCanvaの違いをざっくり比較

項目FigmaCanva
ツールの特徴UI/UX設計ツールテンプレート型デザインツール
操作性自由度が高い(やや上級者向け)直感的で簡単(初心者向け)
学習目的Web/UIデザインの基礎習得SNS・印刷物などの軽いデザイン
作業形式クラウド上でリアルタイム編集クラウド上でテンプレ編集
共同作業◎ リアルタイム同時編集○ 共有編集は可能
カラーマネジメント詳細に設定可能制限あり
ファイル出力PNG / JPG / SVG / PDFPNG / JPG / PDF
料金無料〜(プロ向け有料)無料〜(Proプランあり)

結論

  • Canva: 手軽に「雰囲気で作りたい」人向け
  • Figma: 「デザイン理論を練習したい」人向け

つまり、“感覚”から“論理的デザイン”へステップアップしたい人にはFigmaが最適です。

バナー制作の目的を決める

まず、Figmaを開く前に考えるべきことがあります。
それは「誰に・何を・どんな印象で伝えたいか」という3点です。

たとえば:

タイプ目的イメージ
SNS投稿バナークリック・シェアを促すキャッチー・明るい
広告バナーサービス紹介・誘導信頼感・シンプル
キャンペーン告知限定感・スピード感を演出赤・黒・強調文字
ブログ用サムネ記事の内容を視覚で伝えるトーン統一・見やすい

ポイント
Figmaではテンプレが少ないぶん、“設計思考”で構成を考える力が自然に身につきます。

Figmaで新規ファイルを作る

▶ 手順

  1. https://www.figma.com/ にアクセス
  2. 「New Design File」をクリック
  3. Frame(Fキー) を使ってキャンバスを作成

💡サイズの目安(px単位):

  • Instagram投稿:1080×1080
  • X(Twitter)ヘッダー:1500×500
  • Webバナー広告(一般的):300×250 / 728×90 / 1200×628

コツ
最初は正方形(1080×1080)から始めると、構成の感覚をつかみやすいです。

レイアウトを作る(構図を決める)

レイアウト=「視線の流れをどう誘導するか」です。
バナーで最も重要な部分になります。

Figmaでは「グリッド」や「オートレイアウト」を使うことで、きれいな構図を作りやすくなります。

▶ 設定方法

  1. フレームを選択 → 右パネルで「Layout Grid」をON
  2. 「Grid」を「Columns(列)」に変更
  3. Margin:16、Gutter:16 に設定

▶ 構図パターン例

  • Z型構図: 左上→右下に流れる(広告・誘導系)
  • 三分割構図: 上中下で視線を整理(情報整理系)
  • 中央集中構図: テキストや写真を真ん中に(SNS系)

テキスト・画像・色を配置する

▶ テキスト(Tキー)

キャッチコピー → メインコピー → 補足 の3段構成で考えましょう。

例:

キャッチコピー:今すぐ試せる!
メインコピー:無料デザイン講座、受付中。
補足:初心者OK|Figmaで学ぶデザイン基礎

フォントの目安:

  • 見出し:Noto Sans JP Bold(24〜36px)
  • 本文:Regular(14〜18px)

▶ 画像の挿入

  1. メニューから「Place Image(Shift+Ctrl+K)」
  2. 背景写真を選択
  3. 右側パネル → Fillモードを「Crop」または「Fit」に設定

💡 背景がうるさいときは:

  • 透明度を下げる(Opacity 80%程度)
  • 上に白や黒の半透明レイヤーを重ねる(#000 / 0.4)

▶ 配色のコツ

初心者が迷わない3色ルール:

役割用途
メインカラーブランドを象徴ブルー・オレンジなど
サブカラー補助や背景グレー・ベージュ
アクセントカラー強調部分赤・黄・緑など

配色サイト例:https://coolors.co

Canvaとの違いを実感するポイント

① デザインの自由度

Canvaはテンプレに沿う構成が多く、
Figmaはレイヤーや整列を自由に組めるため、「オリジナル構成」が作れます。

② 精密な位置合わせ

Figmaは「ガイド・スナップ・数値入力」で1px単位の調整が可能。
細部にこだわるデザインには圧倒的に強いです。

③ UI/UXの学習につながる

ボタン、カード、テキスト間など、UIデザインの基礎構造がそのままバナーにも応用できます。

Canvaで「きれいに作る」ことに慣れた人が、
Figmaで「意味を持って配置する」練習をすると一気に上達します。


完成したら書き出してSNSに投稿!

  1. 完成したフレームを選択
  2. 右下の「Export」→「+」ボタン
  3. PNG / JPG形式で保存

おすすめ設定:

  • 解像度:2x(Retina対応)
  • 背景透過:PNG形式

そのままInstagramやX(Twitter)にアップして、反応を見てみましょう。
「視線が止まる」デザインができれば上達のサインです。

練習のコツと題材アイデア

練習テーマ例

  • 「期間限定セール」バナー(赤×黒で強調)
  • 「イベント告知」バナー(写真+文字で構成)
  • 「勉強法まとめ」バナー(アイコン×配色で情報整理)

練習の進め方

  1. Canvaのテンプレを選ぶ
  2. それをFigmaで再現してみる
  3. 要素を分解し、「なぜこの位置?この色?」と考える

この“模写練習”を3〜5回繰り返すだけで、
デザイン構成力が一気に身につきます。

まとめ:Canvaで“感覚”、Figmaで“設計”を学ぼう

  • Canvaは“見た目を整える”練習に最適
  • Figmaは“構造を理解する”練習に最適

どちらも使い分けることで、
「感覚で作る」から「意図を持って作る」デザイナーにステップアップできます。

まずはFigmaで1枚のバナーを「ゼロから構成」してみましょう。
Canvaでは気づかなかった“デザインのロジック”が見えてきます。