JavaScriptの変数とデータ型について

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JavaScriptでは、変数とデータ型がプログラムの基盤を形成しています。
変数は、データを格納するための名前付きの容器であり、データ型はそのデータの種類を示します。
このカリキュラムでは、変数の宣言方法やデータ型の種類、
そしてそれらの使用方法について詳しく説明します。

変数の宣言とスコープ

JavaScriptでは、変数を宣言するために var, let, const の3つのキーワードを使用します。それぞれのキーワードには、異なる特性と使用場面があります。

varによる変数宣言

var は、ES6（2015年に導入されたECMAScript 6）以前から存在する変数宣言の方法です。
varで宣言された変数は、関数スコープを持ちます。
これは、変数が宣言された関数内でのみ有効であり、関数の外ではアクセスできないことを意味します。

function example() {
  var x = 10;
  if (true) {
    var x = 20; // 同じ関数内で再宣言
    console.log(x); // 20
  }
  console.log(x); // 20
}
example();

この例では、var で宣言された変数 x は、関数内で再宣言されて同じスコープを共有しています。

letによる変数宣言

let は、ブロックスコープを持つ変数を宣言するための方法です。ブロックスコープとは、変数が宣言されたブロック {} 内でのみ有効であることを意味します。

function example() {
  let y = 10;
  if (true) {
    let y = 20; // ブロック内での再宣言
    console.log(y); // 20
  }
  console.log(y); // 10
}
example();

この例では、let で宣言された変数 y は、ブロック内で独立したスコープを持ち、
外側の y に影響を与えません。

constによる変数宣言

const は、再代入ができない定数を宣言するための方法です。
const で宣言された変数は、宣言と同時に初期化される必要があります。
また、ブロックスコープを持ちます。

function example() {
  const z = 10;
  // z = 20; // エラー: 再代入はできない
  console.log(z); // 10
}
example();

この例では、const で宣言された変数 z は再代入ができず、宣言時の値が保持されます。

データ型

JavaScriptには、プリミティブ型とオブジェクト型の2種類のデータ型があります。
プリミティブ型には、数値、文字列、真偽値、undefined、null、シンボル、ビッグイントがあります。
オブジェクト型には、オブジェクト、配列、関数などがあります。

プリミティブ型

数値（Number）

数値型は整数および浮動小数点数を表します。

let age = 25;
let temperature = 36.5;
console.log(typeof age); // "number"
console.log(typeof temperature); // "number"

文字列（String）

文字列型はテキストデータを表します。文字列はシングルクォート ' またはダブルクォート " で囲みます。

let greeting = "Hello, World!";
let name = 'Alice';
console.log(typeof greeting); // "string"
console.log(typeof name); // "string"

真偽値（Boolean）

真偽値型は true または false の二つの値を持ちます。

let isStudent = true;
let hasGraduated = false;
console.log(typeof isStudent); // "boolean"
console.log(typeof hasGraduated); // "boolean"

undefined

undefined は、変数が宣言されたが値が割り当てられていないことを示します。

let unknown;
console.log(typeof unknown); // "undefined"

null

null は、意図的に値が空であることを示します。

let empty = null;
console.log(typeof empty); // "object" （これはJavaScriptの歴史的なバグです）

シンボル（Symbol）

シンボルは、一意の識別子を表します。主にオブジェクトのプロパティとして使用されます。

let sym = Symbol("description");
console.log(typeof sym); // "symbol"

ビッグイント（BigInt）

ビッグイントは、任意の精度の整数を表します。
数値型では扱えない非常に大きな整数を扱うことができます。

let bigNumber = 123456789012345678901234567890n;
console.log(typeof bigNumber); // "bigint"

オブジェクト型

オブジェクト型は、複数の値やメソッドを保持するためのデータ構造です。
JavaScriptのオブジェクト型には、オブジェクト、配列、関数などがあります。

オブジェクト（Object）

オブジェクトは、キーと値のペアの集合です。

let person = {
  name: "Alice",
  age: 30,
  greet: function() {
    console.log("Hello, " + this.name);
  }
};
console.log(person.name); // "Alice"
person.greet(); // "Hello, Alice"

配列（Array）

配列は、順序付きの値のリストを表します。インデックスを使用して要素にアクセスします。

let fruits = ["Apple", "Banana", "Cherry"];
console.log(fruits[0]); // "Apple"
fruits.push("Date");
console.log(fruits); // ["Apple", "Banana", "Cherry", "Date"]

関数（Function）

関数は、再利用可能なコードのブロックであり、特定のタスクを実行します。

function add(a, b) {
  return a + b;
}
console.log(add(2, 3)); // 5

型の変換

JavaScriptでは、異なるデータ型間で値を変換することができます。

文字列から数値への変換

let str = "123";
let num = Number(str);
console.log(num); // 123
console.log(typeof num); // "number"

数値から文字列への変換

let num = 123;
let str = String(num);
console.log(str); // "123"
console.log(typeof str); // "string"

真偽値から文字列への変換

let bool = true;
let str = String(bool);
console.log(str); // "true"
console.log(typeof str); // "string"

まとめ

このカリキュラムでは、JavaScriptの変数とデータ型について詳しく説明しました。変数の宣言方法やスコープ、プリミティブ型とオブジェクト型のデータ型、それらの使用方法や型の変換について学びました。
これらの基礎を理解することで、JavaScriptプログラムの構築がより効率的に行えるようになります。
次のステップでは、これらの知識を活用して、より高度なプログラミング技術を習得していきましょう。