コンポーネントを使うべき理由とは?Figmaで効率よくデザインするための基本【後編】

前編では、コンポーネントとは何か、そしてなぜFigmaで重要な機能なのかについて解説しました。

コンポーネントを活用することで、修正時間の短縮やデザインの統一、チームでの制作効率向上など、多くのメリットがあることがお分かりいただけたと思います。

しかし、実際の制作現場では「コンポーネントを作る」だけでは十分ではありません。

どのように管理するのか、どのようなルールで運用するのかによって、作業効率は大きく変わります。

今回は、実務での活用方法や初心者が陥りやすい失敗、効率よく運用するためのコツについて詳しくご紹介します。

実務ではどんなものをコンポーネント化するの?

初心者の方は、「どこまでコンポーネントにすればいいの?」と悩むことがあります。

基本的な考え方は、とてもシンプルです。

2回以上使う可能性があるものは、コンポーネント化を検討しましょう。

例えば、次のようなパーツです。

  • ボタン
  • 見出し
  • ナビゲーション
  • フッター
  • カードデザイン
  • お知らせ一覧
  • ブログ一覧
  • フォーム
  • アイコン
  • SNSボタン
  • パンくずリスト
  • CTAエリア

これらは複数ページで使われることが多いため、コンポーネント化するだけで後からの修正がとても楽になります。

Auto Layoutと組み合わせるとさらに便利

コンポーネントと相性が良い機能がAuto Layoutです。

例えばボタンを作る場合、

文字数が変わるたびに横幅を手作業で調整している方も多いでしょう。

Auto Layoutを設定しておけば、

「お問い合わせ」

から

「無料で資料請求はこちら」

のように文字数が増えても、ボタンの幅が自動で調整されます。

つまり、

  • コンポーネント
  • Auto Layout

この2つを組み合わせるだけで、ほとんど手直しのいらないボタンを作ることができます。

実務では、この組み合わせを使うことが一般的です。

Variantsを使えば管理しやすくなる

Figmaには**Variants(バリアント)**という便利な機能があります。

例えばボタンなら、

  • 通常
  • ホバー
  • 押した状態
  • 無効状態

これらを別々に管理するのではなく、1つのコンポーネントグループとしてまとめることができます。

さらに、

  • 青ボタン
  • 赤ボタン
  • 緑ボタン

なども一緒に管理できます。

すると、デザインデータが散らからず、後から探す時間も短縮できます。

プロジェクトが大きくなるほど、このメリットは大きくなります。

命名ルールを決めよう

コンポーネントを増やしていくと、

「どこに何があるのかわからない」

という状態になりがちです。

そのため、実務では命名ルールを決めておきます。

例えば、

Button / Primary
Button / Secondary
Button / Small
Button / Large

Card / Blog
Card / News
Card / Product

Header / Desktop
Header / Mobile

このようにカテゴリごとに整理しておくことで、目的のコンポーネントをすぐに見つけられます。

名前を付けるひと手間が、後々の作業効率を大きく左右します。

初心者がやりがちな失敗① 何でもコンポーネントにする

コンポーネントは便利ですが、何でも登録すればよいわけではありません。

例えば、一度しか使わない装飾や、そのページだけの特殊なデザインまでコンポーネント化してしまうと、一覧が煩雑になり管理しにくくなります。

「今後も使う可能性があるか?」

という視点で判断することが大切です。

初心者がやりがちな失敗② インスタンスを直接編集する

コンポーネントを配置すると「インスタンス」が作成されます。

初心者の方は、このインスタンスを直接編集してしまうことがあります。

もちろん、テキストや画像の差し替えなど、必要な範囲で変更することは問題ありません。

しかし、サイズや余白、色などの基本デザインまで変更してしまうと、同じコンポーネントでも見た目がバラバラになってしまいます。

基本デザインを変更したい場合は、元となるコンポーネントを編集するようにしましょう。

初心者がやりがちな失敗③ 命名しない

「Component 1」

「Rectangle 42」

「Frame 98」

このような名前のまま放置していませんか?

最初は問題なくても、コンポーネントが100個、200個と増えてくると探すだけで時間がかかります。

後から困らないためにも、最初からわかりやすい名前を付ける習慣を身に付けましょう。

制作会社ではどのように運用している?

多くの制作会社では、案件ごとにコンポーネントを作るだけではなく、「共通ライブラリ」を用意しています。

例えば、

  • ボタン
  • カラー
  • アイコン
  • フォント
  • フォーム
  • カード

などをライブラリとして管理し、新しい案件でも再利用できるようにしています。

これにより、一から作り直す必要がなくなり、制作スピードが向上します。

また、複数人で作業してもデザインの品質が揃いやすくなるため、チーム制作との相性も非常に良い方法です。

コンポーネントを習慣化すると制作スピードは大きく変わる

コンポーネントを使い始めたばかりの頃は、「作る手間が増えた」と感じることがあるかもしれません。

しかし、その手間は後から何倍にもなって返ってきます。

修正依頼が入ったときや、新しいページを追加するとき、デザインを別案件へ流用するときなど、コンポーネント化しておいたことで短時間で対応できる場面は数え切れません。

長くFigmaを使うほど、その恩恵を実感できるでしょう。

まとめ

コンポーネントは、単に同じデザインをコピーするための機能ではありません。

デザインの品質を保ち、修正作業を効率化し、チーム全体の制作スピードを向上させるための重要な仕組みです。

さらに、Auto LayoutやVariantsと組み合わせることで、より柔軟で再利用しやすいデザインデータを作ることができます。

最初はボタンやカードなど、よく使うパーツから始めるだけでも十分です。

慣れてきたら命名ルールやライブラリ管理にも挑戦し、少しずつ自分だけのデザインシステムを育てていきましょう。

Figmaは、ただデザインを描くためのツールではなく、「効率よく、品質の高いデザインを作るためのツール」です。

コンポーネントを使いこなせるようになれば、日々の制作がより快適になり、修正にも強いデザインデータを作れるようになります。

ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、次回のデザイン制作からコンポーネントを活用してみてください。