Web制作の現場では、昔から「フォントサイズは10px未満には設定できない」
という言葉を耳にすることがありました。
しかし実際には、CSSの仕様上そのような制限は存在しません。
ではなぜこのような誤解が広まったのでしょうか?
本記事では、歴史的な背景を整理しながら解説します。
昔のブラウザにおける制限
Internet Explorerの挙動
特に IE6〜IE8の時代、CSSで font-size: 8px; のように指定しても、
正しく表示されないケースがありました。
具体的には
- 小さすぎる文字が潰れて読めない
- 相対指定(
xx-smallなど)が「強制的に10px前後」に丸められる
これにより「10px未満は効かない」と思われるようになったのです。
解像度の問題
2000年代初頭のディスプレイは 1024×768 程度が主流。
この環境では8px文字はドットが荒く、
視認性に乏しかったため「実質的に読めない=使えない」と考えられた歴史的背景もあります。
ユーザー設定による影響
今でも一部ブラウザ(FirefoxやChrome)には「最小フォントサイズ」の設定が存在します。
ユーザーが「最小12px」と設定していれば、開発者が 8px を指定してもブラウザ側で自動的に拡大されます。
この仕様もまた「指定できない」と誤解される要因の一つです。
現在のブラウザ環境
2025年現在、主要なブラウザ(Chrome / Firefox / Safari / Edge)では以下のようになっています:
- CSSでのピクセル指定は自由 → 8pxでも9pxでも問題なく指定可能
- 高解像度ディスプレイの普及 → 8px文字でも潰れにくく表示される
- アクセシビリティ考慮 → 小さすぎる文字は推奨されない
つまり「技術的には可能だが、実用面では注意が必要」というのが正しい理解です。
まとめ
- CSS仕様に「10px未満禁止」というルールは 最初から存在しない
- IEや低解像度ディスプレイ時代に「読めない・丸められる」問題があった
- ユーザーの「最小フォント設定」が拡大表示することもある
- 現代ブラウザでは設定可能だが、可読性の観点からあまり使われない
おわりに
「10px未満は設定できない」というのは、
古いブラウザ事情や可読性の問題から生まれた“昔の常識”でした。
現代では小さなフォントも表示できますが、ユーザーの読みやすさを考慮すれば 本文は16px前後を基本 とし、補足的な注釈などで10px前後を使う程度がベストでしょう。
