Facebook広告とは?配信方法の種類や費用の仕組みを分かりやすく解説

Facebook広告とは、Facebookのフィードやストーリーズに出稿できるSNS広告になり、世界で月間23億人のアクティブユーザーを持つ巨大SNSプラットフォームになります。近況報告や情報収集、またはビジネス目的で活用しており、日本でも月間約2,600万人が使用しています。

そこで今回は、Facebookに広告を配信する「Facebook広告」の特徴や、ターゲティングの方法、実際の活用事例、出稿の手順について紹介していきます。

Facebook広告とは?

Facebook Businessマーケティングの活用方法 | より

Facebookの「フィード面」や「ストーリーズ」などに配信するSNS広告プラットフォームのことをFacebook広告といいます。Instagramにも、Facebook広告の管理画面から広告配信をすることが可能になっています。

精度の高いターゲティング機能が魅力

ターゲティング精度の高さが、Facebook広告の大きな特徴になり、

ユーザーがアカウントを作成する際に、実名での登録を原則とし、年齢や地域・勤め先など様々な情報の入力が必要となります。

ですので、ユーザーが自ら入力した正確なプロフィール情報に基づいて広告が配信できるので、商材やブランドを訴求したいターゲットに、ピンポイントで広告を届けることができます。

また「類似オーディエンス」という、既存の顧客と属性やWeb上の行動が似ているユーザーにターゲティングする機能も備わっており、新しい顧客を効果的に獲得したいという場合にも、Facebook広告はとても有効です。

Facebook広告の配信先と掲載場所

Facebook広告は、「Facebook」「Instagram」「Messenger」「Audience Network(オーディエンスネットワーク)」の4つの配信先があり、目的に応じて選択することが可能です。

また広告の目的や予算に応じて、Facebook広告のアルゴリズムがパフォーマンスの高い配信先や配信場所に、自動で配置してくれる機能である「自動配置」という機能も備わっています。

手動で設定する場合や複数のキャンペーンや広告セットを作成する場合は、広告効果を高めるためにひとつひとつテストしたり

工数がかかってしまいます。ですので、初めて広告を出す、できるだけ手間をかけずに出稿をしたという場合は、自動配置を選ぶのがおすすめです。

Facebook

Facebook広告といえば、PCやスマホ・タブレットなど「Facebookのニュースフィード面(タイムライン)」や「右側の枠」に配信される広告で多くの方は、これらをイメージされる方も多いと思います。

ニュースフィード面の右側の枠は、PCのみ表示されるので、スマホユーザーに届けることはできませんが、PCを利用しFacebookを閲覧するビジネスパーソンに向けた広告が多くなっています。

この他に2017年に実装された機能で、Facebookのストーリーズがあります。そのほかにもカルーセルやスライドショーという見せ方があります。1つの広告で10件までの画像や動画を追加が可能なカルーセルでは、それぞれに別のリンクをつけることが可能であり、1つの広告で複数の商品の紹介をしたり、また1つの商品のさまざまなメリットを紹介したりするのに適しています。

スライドショーでは、動画広告よりも簡単かつ少ない費用で広告を打つことができます。読み込みも動画の5分の1での容量のため、さまざまな環境でみてもらいやすい広告と言えます。

Messenger

Messengerは、Facebookが提供するメッセージアプリになります。

主にビジネス目的で使われることが多く、ブラウザ上からも利用可能です。チャット内に表示されるMessenger広告をクリックすることで「自社サイト」や「LP(ランディングページ)」、「スマホアプリのインストール画面」に遷移させることができます。

また、Messengerスレッドを開く設定にすることも可能で、直接ユーザーとやりとりすることも可能です。このチャットボット(Facebookメッセンジャーボット)を組み合わせることで、24時間365日自動で、ユーザーからのお問い合わせ対応やLP誘導ができるようになりました。

Instagram

Instagramアプリのフィード(タイムライン)やストーリーズに配信することができ若年層のユーザーに向けての広告との親和性が高いのが特徴です。

またInstagramの日本国内の月間アクティブアカウント数は、約3,300万人を突破(Facebookは約2,600万人)しており、ユーザーにとってより身近なSNSに成長しています。

利用ユーザーの比率として、男性が43%で女性が57%となっており、SNSプラットフォームの中でも女性ユーザーが多いのが特徴です。「写真広告」「動画広告」「カルーセル広告」「ストーリーズ広告」と広告のフォーマットも多様で目的に応じて選択できます。いずれもスマホの画面を大きく使ったビジュアルを通して、効果的にブランドの価値観を伝えていくことができます。

傾向として、BtoC向けの広告が多く、ファッションや美容などの広告と相性が良いです。

Audience Network

Facebookと提携している様々な「スマホアプリ」や「ウェブサイト」に広告を配信できるネットワークをAudience Networkと言います。

Facebookのターゲティング機能や広告フォーマットを利用し、管理画面からFacebookの枠を超えたキャンペーンを実施が可能です。自社の広告が意図しないアプリやサイトに掲載されてブランドのイメージが低下することを防ぐために、広告が配信される可能性があるアプリやサイトを一覧にしたパブリッシャーリストを確認することが可能です。またブロックしたい掲載先をリストにしたり、特定媒体への配信を停止することも可能です。

Facebook広告の3つのターゲティング方法

効率よくFacebook広告を運用していくためには、誰に配信するのかといった「ターゲティング」が非常に重要になりそのFacebook広告のターゲティング方法は、大きく3つに分かれます。

・コアオーディエンス

・カスタムオーディエンス

・類似オーディエンス

コアオーディエンス

ユーザーのプロフィール情報やFacebookページ、アプリ上での行動によって、コアオーディエンスを作成します。年齢や性別、地域といった基本的な情報や、「子供がいる人」「(過去6ヶ月以内に)転職した人」などユーザーを細かくセグメントし、ピンポイントにターゲティングすることが可能です。

カスタムオーディエンス

自社サイトやアプリのアクセスログや顧客リストに基づいて、カスタムオーディエンスを作成します。1つの広告アカウントで、最大500種類のカスタムオーディエンスを作成することが可能です。自社の商材やサービスの既存顧客になっている人や、興味や関心を抱いている人に、広告を配信できるため、通常のオーディエンス配信よりも費用対効果が高まる傾向があります。しかし注意として、サイトへのトラフィックや顧客データが少ない場合は、リーチできるユーザーが少なくなってしまう場合があります。

類似オーディエンス

カスタムオーディエンス(ソースオーディエンス)をもとに、既存顧客やサイト訪問者など、よく似た傾向を持つ人にターゲティングすることを類似オーディエンスといいます。既存顧客との類似性が高いため、新規顧客の開拓に大きく貢献します。1〜10%までオーディエンスサイズを設定することができ、サイズが小さいほど既存顧客との類似度が高くなります。しかしサイズが小さいとリーチができる人数が少なくなってしまいます。また類似オーディエンスは、ソースオーディエンスが100人以上ないと作成できないのと、より精度を高めていくためには、1,000~50,000人のソース量が必要になってきます。

Facebook広告の費用

広告主が自らFacebook広告の出稿費用を設定します。

キャンペーンや広告セットごとに、1日の上限予算や掲載期間内での上限予算(通算予算)を設定することで、予算の払いすぎなどを防ぐことができます。

クレジットカード・デビッドカード・Paypal・オンラインバンキング(銀行引き落とし)などの支払い方法があり、広告を作成時に設定します。

Facebookの課金方式(費用が発生するタイミング)は、主に2種類あります。

・インプレッション課金(CPM):広告が1,000回表示されるごとに費用が発生

・クリック課金(CPC):広告が1回クリックされるごとに費用が発生

インプレッション課金が中心となりますが、初めて広告を出稿する際に「全くクリックされなかったけれども、広告費が発生してしまった」ということを防ぐために、クリック課金を選択するの良いでしょう。

※Facebook広告作成時に設定する「広告の目的」によっては、インプレッション課金のみの場合もあります。

Facebook広告オークションの仕組み

広告主とユーザーの双方に最大の価値がある広告をFacebook広告では採用しています。

入札価格が高ければ高いほど、ユーザーに表示される傾向が高くなりますが、必ずしも入札価格だけで判断されるものではありません。Facebookの広告オークションの判断材料として、「入札価格」「推定アクション率」「広告品質」があります。

入札価格:広告主がその広告に対して設定した入札価格

推定アクション率:広告を見たユーザーがアクションを起こす見込みや広告経由でコンバージョンに至る可能性

広告品質:広告を見たユーザーの肯定的・否定的なフィードバッグや低品質と見なされる広告の特徴から判断

推定アクション率と広告品質の関連度が高ければ高いほど、ユーザーに優先的に表示されます。

ですので、いくら入札価格を高く設定してもユーザーにとって魅力的な広告でなければ、ユーザーの目に触れる回数が減ってしまいますし、ユーザーのアクションを促すか、否定的な印象を与えないかという視点も重要なポイントにもなります。

Facebook広告の構造

「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3つの階層によってFacebookの広告は、構成されています。

各階層において最適な設定が必要となります。

キャンペーン

キャンペーンは、「認知度アップ」「検討機会」「コンバージョン」の3つのカテゴリーから、計11個の中から選ぶことが可能で、達成したい目的を設定します。設定したキャンペーンに沿って、広告が最適化されます。

認知度アップ

ブランドの認知度アップ:ビジネス、ブランド、サービスへの認知度を高めることができます。

リーチ:ターゲットオーディエンスのできるだけ多くの利用者に広告を表示します。

検討機会

トラフィック:Facebookから、自社のウェブサイトのランディングページ、ブログ投稿、アプリなど、選択したURLに利用者を誘導します。

エンゲージメント:投稿に反応する可能性の高い利用者にリーチします。エンゲージメントには、ページからのクーポンの利用や「いいね!」、コメント、シェアなどを含めること可能です。

アプリのインストール:利用者をアプリストアにビジネスのアプリをダウンロードできるようにします。

動画の再生数アップ:ビジネスの動画を視聴する可能性の高いFacebook利用者に、その動画をシェアしてもらいます。

リード獲得:ニュースレターへの登録など、商品に興味を持った利用者から情報を収集する広告を作成し、ビジネスのリードを獲得します。

メッセージ:潜在顧客や既存の顧客とコミュニケーションを取り、利用者にビジネスへの関心を引き出します。

コンバージョン

コンバージョン:ビジネスのサイト上で利用者に特定のアクションを促します。アクションには、商品のカートへの追加、アプリのダウンロード、サイトへの登録、購入などが含まれます。

カタログ販売:Eコマースストアのカタログの商品を掲載して、売上を増やします。

来店数の増加:実店舗の所在地を近隣の利用者に宣伝します。

広告セット

広告を配信したいターゲット(オーディエンス)や予算・広告の配置・掲載期間を広告セットで設定します。仮に広告の目的が一緒の場合でも、年代や性別などターゲットが異なる場合は、広告セットを分けることで、効果検証がしやすくなります。

広告

実際に配信される広告のクリエイティブに関する設定を広告で設定します。広告の形式やテキストやリンクの設定、広告パフォーマンスを計測する「Facebookピクセル」の設定もここから行います。

Facebook広告を成功させる4つのポイント

Facebook広告を配信する前に、4つのポイントについて紹介していきます。

・目的を明確に定義する

まず何のために広告を配信するのかといった目的をしっかりと定義することが大切になります。

理由として、広告の目的によっては広告セットの設定の仕方や最適な入札方法も変わってきたり、ターゲットや訴求すべきクリエイティブも異なります。

ですのでFacebook広告を配信することによって何を成し遂げたいのか(KGI)をしっかりと定めることがFacebook広告運用の最初のステップと言えるでしょう。

自動入札に合わせた広告設計を構成する

自動入札を上手に活用することで、Facebook広告のパフォーマンスを高めていきます。

自動入札とは、キャンペーンや広告セットで設定した「日予算」もしくは「掲載期間内の予算」を消化しつつ、最適化イベントごとの単価が最小になるように自動で調節してくれる入札方法のことです。

Facebook広告は、配信するターゲットや配信先・配信フォーマットを細かく設定できる分、パフォーマンスに作用する変数が多く、手動でパフォーマンスを上げていくのが難しいという側面があります。

デイリーで15~20CVが発生する広告セットを作る

自動入札を最適化するためには、一定のサンプル数が必要になります。

そのサンプル数のひとつの目安が、デイリーでのCV獲得数が15〜20件になります。

この獲得数を維持することができれば、CVを効率よく獲得するための機械学習が円滑に機能してくれます。広告セットを必要以上に作ってしまうと、サンプルが分散してしまい十分なデータ量を貯めることができないため、広告セットを分けすぎないことが大切です。

どうしても広告セットを分けたい場合や、広告セットを統一してもデータ量が見込めない場合は、中間コンバージョンを設定するのも有効な方法です。

例として、LPでの商材購入が最終的なコンバージョンの場合は、そのひとつ手前のアクションである「フォーム入力」や「注文ボタンのクリック」をコンバージョンに設定することで、サンプル数を増やすことが可能です。

しかし注意として、商材購入をコンバージョンに設定する場合と、目標コンバージョン単価が変わってくるので、中間コンバージョンから最終的なコンバージョンへの転換率を加味しながら、効果検証を行う必要があります。

クリエイティブを定期的にリフレッシュする

SNS広告では、配信する広告クリエイティブによってはパフォーマンスが大きく左右する場合があります。コピーテキストやバナー画像といったビジュアルや、動画・カルーセルなどフォーマットの異なるクリエイティブを複数用意し、どのクリエイティブが良いかといった検証を行うことが大切になります。

その検証結果によって発見した「勝ちクリエイティブ」も定期的(2週間〜1ヶ月くらい)にクリエイティブをリフレッシュする必要があります。SNS広告はその特性上、ユーザーが1日に何度もタイムラインに訪れるので、同じユーザーに、同じクリエイティブを配信しても、新鮮味がなくなってしまい、CTRの低下を招いてしまいます。

定期的にクリエティブを細かく変更して、ユーザーに飽きさせない工夫することを心掛けましょう。

まとめ

今回はFacebook広告とは何かや、そしてFacebook広告の全体像について紹介してきました。

Facebook広告は高いターゲティング精度を誇り、効果的にユーザーに広告配信することが可能です。類似オーディエンス配信や自動入札といった機能も充実しており、広告配信プラットフォームとしても非常に優秀です。ですので、これらを上手に活用することによって、ビジネスに大きな恩恵をもたらしてくれるでしょう。