デザインシステムの作り方:Figmaで管理するブランド統一

はじめに:なぜデザインシステムが必要なのか

Webサイトやアプリのデザインを複数人で進めると、
「ボタンの角丸が違う」「フォントサイズが微妙にズレている」など、
細かな不統一が生まれやすくなります。

それを防ぐために必要なのが「デザインシステム」。
色・文字・コンポーネント・ルールなどを一元管理し、
“ブランドの軸”を全員が共有できる設計図のような存在です。

Figmaはこのデザインシステムを作るための最適なツールです。
クラウド上でリアルタイムに共有・更新でき、
デザイナー・エンジニア・マーケター全員が同じUIを参照できます。

デザインシステムの基本構造

Figmaで構築するデザインシステムは、
大きく分けて 「スタイル」「コンポーネント」 の2軸で成り立ちます。

要素内容
スタイルカラー・フォント・影などの基本設定ブランドカラー・見出しフォント・余白
コンポーネントUIパーツのテンプレートボタン・フォーム・カード・ヘッダー

これらを階層的に整理することで、再利用できる・一貫性を保てる・修正が早いデザイン体制が作れます。

Step 1:ブランドスタイルを定義する

まずは「ブランドの基礎」をスタイルとして登録します。
これはデザイン全体のトーンを決める大切な作業です。

▶ カラースタイル

右パネル → “Color Styles” → “+” から登録。

用途カラー名HEX
メインカラーBrand / Primary#2563EB
サブカラーBrand / Secondary#1E3A8A
背景色Base / Background#F9FAFB
テキストText / Primary#111827

命名規則は階層構造で統一
例:Brand / PrimaryBase / Background / Light

▶ タイポグラフィスタイル

同様に「Text Styles」からフォントを登録。

用途フォントサイズ行間
H1Noto Sans JP Bold32px140%
H2Noto Sans JP SemiBold24px150%
BodyNoto Sans JP Regular16px160%

デザインの階層構造を反映した命名がポイント。
Heading / H1Body / Regular のように整理しておくと管理が容易です。

▶ エフェクト・シャドウ

「Effect Styles」で影やブラーを統一します。
ボタンのシャドウやカードの浮き感をスタイル化することで、
“デザインの癖”を減らせます。

Step 2:コンポーネントを整理して作る

次に、UIパーツを「コンポーネント化」しておきましょう。
頻繁に使う要素はすべて再利用可能なパーツに変えるのが基本です。

▶ 基本コンポーネント例

  • Button(Primary / Secondary / Disabled)
  • Input Field(Label付き・Error状態)
  • Navigation(Header / Footer)
  • Card(Product / Article / Voice)
  • Modal(Info / Warning)

命名規則をルール化

Component / Category / Type / State
例:Button / Primary / Hover

コンポーネントを整備しておくと、
新しいページも「組み立てる」感覚でデザインできるようになります。

Step 3:オートレイアウトで柔軟に対応

コンポーネントを作るときは、必ず オートレイアウト(Shift + A) を設定しましょう。

設定項目内容
Direction横 or 縦
Spacing要素間の間隔(例:16px)
Padding内側の余白(例:20px 24px)
Alignment左右・中央・上下の整列
ResizingHug / Fixed / Fill の設定

オートレイアウトを組み込むことで、テキストが増えても崩れない柔軟なUIが完成します。
レスポンシブ対応にも強く、修正も一括で管理できます。

Step 4:Variantで状態をまとめる

1つのパーツに複数の状態がある場合、Variant(バリアント) を使ってまとめましょう。

例:ボタンの状態をひとつにまとめる

  • Default(通常)
  • Hover(ホバー時)
  • Disabled(無効)

Variantを活用すると、

  • 状態管理がしやすくなる
  • プロトタイプ設定が簡単になる
  • 開発連携(Design Token化)がスムーズになる

Step 5:ライブラリとして公開する

すべてのスタイルとコンポーネントを整えたら、「Publish Library」 機能でチームに共有しましょう。

▶ 公開の手順

  1. 上部メニューの「Assets」タブを開く
  2. ライブラリ名を「Brand Design System」などに設定
  3. 右上の「Publish」ボタンをクリック

メンバーが別プロジェクトで利用するときも、
“Assets → Library → Enable” をオンにするだけで同じUIを呼び出せます。

Step 6:運用ルールを明文化する

デザインシステムは作って終わりではありません。
「どう使うか」を明確にすることで、初めてブランド統一が実現します。

運用ドキュメントに入れる内容

  • カラーの使い分けルール
  • コンポーネント使用例(Do / Don’t)
  • 命名規則(Button / Primary など)
  • 更新手順(誰が・いつ・どう変更するか)

Figma上で「READMEページ」や「ガイドページ」を作っておくと便利です。
エンジニアやクライアントにも共有できます。

Step 7:定期的なアップデートを行う

ブランドやUIトレンドは常に変化します。
半年〜1年に1度は以下のような見直しを行いましょう。

  • 不要なスタイルや重複コンポーネントの整理
  • カラーパレット・フォントの最新化
  • 新デバイス対応(モバイル・ダークモードなど)

デザインシステムは“生きた仕組み”。
維持・改善を繰り返すことでブランド価値を育てられます。

まとめ:Figmaで“整える力”を育てよう

デザインシステムの本質は、「全員が同じ考え方でデザインできる状態を作る」ことです。

  • スタイルで基礎を統一
  • コンポーネントで再利用性を高める
  • ライブラリでチーム全体に共有する

これらをFigmaで一元管理すれば、
どんな規模のプロジェクトでも「美しく、速く、正確に」デザインを進められます。

デザインの統一は、ブランドの信頼そのもの。
今日からFigmaで、自社ブランドの“見えるガイドライン”を作りましょう。

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