Webデザインの第一歩!Figmaでワイヤーフレームを作る方法

ワイヤーフレームとは?まずは“設計図”の考え方から

Webサイト制作の最初の工程で欠かせないのが「ワイヤーフレーム」です。
ワイヤーフレームとは、Webページの構成を整理した“設計図”のこと。
文字通り“ワイヤー(線)”でページの構造を描くようなイメージです。

目的は「見た目」ではなく「情報の整理」。
デザインや色づけは後回しにして、「何を」「どの順番で」「どこに配置するか」を決めるのが主な役割です。

なぜFigmaで作るのがいいの?

以前はAdobe XDやSketchが主流でしたが、
今ではFigmaがワイヤーフレーム作成の定番ツールになっています。

Figmaがワイヤーフレームに最適な理由

理由解説
無料で始められる個人利用ならずっと無料でOK
ブラウザで動くインストール不要、どのPCでも開ける
シンプルなUI図形とテキスト中心の構成にぴったり
リアルタイム共有クライアントやチームと同時編集が可能
コンポーネント管理共通パーツを再利用できる

特に、「構造を考える」練習には余計な機能が少ない方が良いため、
Figmaのシンプルさが初心者には最適なんです。

Step 1:新規ファイルを作ってキャンバスを設定しよう

まずはFigmaでワイヤーフレーム用の作業スペースを用意します。

手順

  1. https://www.figma.com/ にアクセス
  2. 「New design file」をクリック
  3. Frame(Fキー) を選び、サイズを指定

おすすめサイズ

  • PCデザイン:1440×1024 px
  • スマホデザイン:375×812 px(iPhone 13 など)

フレームは“Webページ全体”のキャンバス。
後から縦に伸ばしてもOKです。

Step 2:レイアウトグリッドを設定する

整ったワイヤーフレームを作るには、グリッド設定が超重要。
要素を“きれいに並べる”基準線になります。

設定方法

  1. フレームを選択
  2. 右パネルの「Layout grid」→「+」をクリック
  3. 「Columns」に変更
  4. 設定値を入力
    • Count:12
    • Gutter:20
    • Margin:80(両端の余白)

これで、Webデザインで一般的な“12カラムグリッド”が完成。
要素をこの線に合わせることで、自然と整ったデザインになります。

5. Step 3:ヘッダー・メイン・フッターの3構成を描く

ワイヤーフレームは大きく3ブロックに分かれます。

[Header] :ロゴ・メニュー・CTA
[Main]  :メインビジュアル・コンテンツ
[Footer] :会社情報・著作権・リンク

作成のコツ

  • 長方形(Rキー)でエリアをざっくり区切る
  • テキスト(Tキー)で「ここにメニュー」「ここにボタン」などとメモを書く
  • 線やアイコンで“構成を視覚化”する

見た目を整えるよりも、「何を配置するか」を言語化することが目的です。

Step 4:コンテンツブロックを整理する

続いて、ページ内の要素をブロックごとに配置していきます。

例:サービスサイトの場合

  1. ヒーローセクション(メインビジュアル+見出し+ボタン)
  2. サービス概要(アイコン+テキスト)
  3. 実績紹介(カードレイアウト)
  4. お客様の声(リストや吹き出し)
  5. お問い合わせCTA

それぞれを矩形+テキストで簡単に配置していきましょう。

オートレイアウト(Shift + A)を使うと、
要素間の間隔を自動で揃えられるので、整列がラクになります。

Step 5:UIパーツを追加して“流れ”を確認する

ボタン、カード、ナビゲーションなど、よく使うパーツを組み合わせて
「情報の流れ」が自然かどうかを確認します。

よく使うUI要素

要素説明
ボタンCall To Action(例:資料請求・お問い合わせ)
カードサービス・実績などの一覧に最適
アイコン見出し横や装飾に使うと情報が整理される
フォーム入力項目を想定して配置
テーブル料金表・比較表に活用

ここでは“仮置き”でOK。
デザインに入る前に、ページ全体のリズムを整えることが大切です。

Step 6:テキスト階層を意識して整理する

情報設計のポイントは「階層構造」にあります。

見出しの優先度

H1:ページ全体のテーマ
H2:セクションのタイトル
H3:小見出し・補足説明

H1:私たちのサービス
H2:デザインで課題を解決します
H3:Web・印刷・動画制作に対応

フォントサイズや太字だけで階層を区別すると、クライアントにも分かりやすくなります。

Step 7:コメントをつけて構成意図を共有する

Figmaの強みは、コメント機能(Cキー)を使ってワイヤーフレーム上に直接メモを残せる点です。

コメント例

  • 「ここはアニメーションで動きをつけたい」
  • 「この部分はスマホでは非表示」
  • 「画像を入れ替え予定」

これにより、デザイナー・ディレクター・クライアント間の“意図のすれ違い”を防ぐことができます。

Step 8:スマホ版も一緒に作ると理解が深まる

Figmaでは、デスクトップ版 → スマホ版の順で作るのが基本。

手順

  1. PC用フレームを複製(Ctrl + D)
  2. サイズを 375×812 に変更
  3. コンテンツを縦並びにリサイズ

レスポンシブ構造を考える良い練習になります。
余白・フォントサイズ・CTA位置などを調整しながら、
「スマホで見やすいデザイン」を意識してみましょう。

Step 9:完成したらチームと共有しよう

FigmaはURL共有で簡単にレビュー依頼ができます。

共有方法

  1. 右上の「Share」ボタンをクリック
  2. 権限を「Can view」または「Can comment」に設定
  3. URLを共有

Slackやチャットに貼るだけでOK。
クライアントもブラウザ上で確認できるので非常に便利です。

Step 10:デザインへの“橋渡し”として活用する

ワイヤーフレームは、デザインの土台です。
ここが整理されていないと、色や写真を足しても“散らかった印象”になります。

完成後は、

  1. 要素の優先順位(情報設計)
  2. 配置のバランス(視線誘導)
  3. CTAの位置(行動導線)

この3つを見直してから、デザイン段階に進みましょう。

まとめ:Figmaで“設計思考”を身につけよう

ワイヤーフレームは、「考えるデザイン」の第一歩。
色をつける前に、情報の整理と構成の意図を明確にすることが
“伝わるデザイン”への最短ルートです。

この記事のまとめ

ステップ内容
Step1新規ファイルを作る
Step2グリッドを設定する
Step3ページを3構成に分ける
Step4コンテンツをブロック化
Step5UI要素を追加
Step6テキスト階層を整理
Step7コメントで共有
Step8スマホ版を作る
Step9共有・レビュー
Step10デザインへ発展させる

デザインの上達は「整える力」から。
Figmaを使って、自分の考えを“見える形”にしていきましょう。