デザインレビューをレベルアップさせるFigmaの使い方

レビューは「見る」ではなく「伝える」工程

デザインレビューというと、「完成したデザインを見せて意見をもらう場」
と思われがちですが、本質はそれだけではありません。

デザインレビューとは、
“デザインの意図を伝え、共に磨き上げるプロセス” です。

Figmaを活用すれば、「見せる」だけでなく「理解してもらう」レビューが可能になります。
そのために重要なのは、Figmaの共有機能・コメント機能・プロトタイプ機能を使いこなすことです。

ありがちな失敗例:レビューがうまくいかない理由

デザインレビューが停滞する原因はシンプルです。

  • どこを見てほしいのか分からない
  • 意見が抽象的(「なんか違う」など)
  • コメントがバラバラに散らばる
  • 更新版がどれか不明

これでは、せっかくのレビューが「感想会」になってしまいます。
Figmaには、これらを解決するための仕組みがすでに備わっています。

Step 1:レビュー前に「見るポイント」を明確にする

まずはレビューに入る前に、「何を見てほしいか」をはっきり伝えることが大切です。

Figma上では、以下のような準備ができます

ページ構成を整理する

ページ名を以下のように命名します:

01_Wireframe  
02_Design_v1  
03_Design_v2 (Review用)

「レビュー用ページ」を分けることで、レビュー担当者が迷わずに目的の画面を開けます。

目的をテキストで明示

デザイン内に付箋やテキストボックスでメモを添えましょう:

「このボタンの位置が適切か見てください」
「配色バランスと視認性についてご意見ください」

これだけでレビューの質が格段に上がります。

Step 2:コメント機能を“議論の場”に変える

Figmaのコメント機能(右上の吹き出しアイコン 💬)は、
単なるメモではなく「議論の記録」として活用できます。

コメントの活用法

  • ピンを立てて具体的に場所を示す
  • メンション(@名前)で担当者を指定
  • 「Resolved(解決済み)」を活用して整理

ポイント
コメントは「修正依頼」だけでなく「意図の共有」にも使えます。

💬 「あえて余白を広くしています。読みやすさ重視です」
💬 「このアイコンはブランドカラーに合わせています」

→ “なぜこうしたか”を伝えることで、誤解のないレビューになります。

Step 3:プロトタイプで“体験レビュー”を実現する

静止画デザインだけでは、ボタンや動線の「感覚」は伝わりません。
そこで活躍するのが プロトタイプ機能

設定方法

  1. 右上タブの「Prototype」を選択
  2. ボタンやリンク要素を他のフレームへ接続
  3. トランジション(フェード・スライドなど)を設定
  4. 「Present」で実際に動かす

こうすることで、クライアントや上司も「動くデザイン」として体験できます。
意図を伝えるレビューには、視覚だけでなく「操作感」も重要です。

Step 4:バージョン管理でレビューの混乱を防ぐ

「どれが最新?」を防ぐには、Figmaの Version History(バージョン履歴) を活用しましょう。

手順

  1. File → Show version history
  2. 「命名付きバージョン(Named Version)」を保存
  3. 名前をつけて記録
     例)2025_01_ReviewBeforeClient

こうしておけば、レビュー前後で差分を追跡でき、
「前回どこを直したのか」もチーム全員で把握できます。

Step 5:プレゼンテーションモードで“見せ方”を整える

レビューの印象は“見せ方”で変わります。
「余計なガイドやレイヤーが見えている」と集中できません。

見やすくする設定

  • Presentモードで余白やガイドを非表示
  • ページ構成を論理的に並べる(上から下へストーリー仕立て)
  • カラーや背景を整理して一貫性を保つ

特にクライアント向けレビューでは、
1ページ目に「概要」「目的」を書いたフレームを置くのがおすすめです。

Step 6:FigJamと組み合わせて議論を可視化する

レビューの中で出た意見やアイデアは、FigJamボードにまとめるとさらに効果的です。

  • 「改善点」エリア
  • 「良かった点」エリア
  • 「次回検討」エリア

FigJamの付箋・矢印・カテゴリ分けを使えば、会議後も「なぜそう決まったのか」が残ります。

Step 7:レビュー後のフィードバックをデザインに反映

レビュー後は、Figma上での反映ステップを明確にします。

作業担当状態
CTAボタンの色調整デザイナー対応中
フォーム位置修正デザイナー完了
テキストトーン再検討クライアント保留

→ コメント欄で「✅ 対応済み」と明記することで、
レビューサイクルを効率化できます。

Step 8:リアルタイム共同編集で“その場で決める”

Figmaの魅力は、全員で同時に編集できる点。
レビュー中に「ここ変えてみよう」と言われた箇所を、
その場で動かして確認できます。

「この余白を16pxにしたらどう?」
→ 実際に変更して即確認。議論が具体化!

レビューがスピーディーになり、意思決定がその場で完了します。

Step 9:レビューを「ナレッジ化」してチームの財産に

レビュー内容は、FigmaコメントやFigJamに残して終わりではなく、
次のプロジェクトでも使える学びとしてまとめましょう。

  • FigJamで「レビューまとめボード」を作成
  • 「良かった点」「改善点」「学び」を記録
  • チーム全体のデザインガイドラインに反映

これにより、レビュー文化が組織全体に定着します。

まとめ:レビューの目的は“伝わるデザイン”を育てること

デザインレビューは「チェック作業」ではありません。
チームでデザインの意図を共有し、質を高める対話の場です。

Figmaを使えば、

  • 意図を可視化
  • 体験で共有
  • 意見を整理
  • 修正を即反映

という、理想的なレビューサイクルが実現できます。

レビューが“通る”ではなく、“深まる”時間へ。
Figmaを活かして、デザインコミュニケーションをレベルアップしましょう。