トラブルを防ぐ!Web制作の契約書・発注書の作り方

フリーランスWeb制作者として活動していると、
契約書や発注書を交わさずに案件を進め、後からトラブルになるケースが少なくありません。

  • 納品後に支払いが遅れる、または支払われない
  • 作業範囲の認識がズレて追加対応が増える
  • 無限に修正依頼が続いてしまう

こうした問題を防ぐためには、契約書や発注書をしっかりと作成し、
クライアントと認識を共有することが不可欠です。

本記事では、Web制作における契約書・発注書の作り方と、記載すべき重要ポイントを解説します。

なぜ契約書・発注書が必要なのか?

Web制作では、契約書を作らずに進めてしまうと、口約束の範囲が曖昧になり、
後からトラブルが発生しやすくなります。

契約書・発注書を作成するメリット

  • 作業範囲・スケジュールが明確になり、無駄な作業を防げる
  • 納期や支払い条件を事前に決めることで、報酬トラブルを防げる
  • 修正回数や範囲を明確にすることで、無限修正を回避できる
  • 法的効力を持ち、万が一のトラブル時に証拠として活用できる

「信頼関係があるから大丈夫」と思っても、ビジネスではトラブル回避のために書面を交わすのが基本です。

Web制作の契約書の基本構成

契約書には、必ず記載すべき項目があります。

Web制作契約書の基本構成

  1. 契約当事者の情報
    • クライアント(発注者)と制作者(受注者)の氏名・会社名・住所
  2. 業務内容(作業範囲)
    • 例:「ホームページのデザイン・コーディング・WordPress構築」
  3. 納期
    • 例:「2025年3月30日までに納品」
  4. 報酬(支払い方法・期日)
    • 例:「報酬額 200,000円(税込)、納品後30日以内に銀行振込」
  5. 修正対応の範囲
    • 例:「デザイン修正は2回まで。3回目以降は追加料金」
  6. 著作権・知的財産権
    • 「納品後、クライアントに著作権を譲渡する」or「著作権は制作者に帰属する」
  7. キャンセル・契約解除
    • 例:「クライアントの都合でキャンセルする場合、進捗に応じた報酬を請求」
  8. 秘密保持(NDA)
    • 「プロジェクトに関する情報を第三者に漏洩しない」

契約書がしっかりしているほど、トラブル時に自分を守る武器になります。

Web制作の発注書の作り方

契約書とあわせて、発注書(注文書)を用意することで、クライアントとの認識を明確にできます。

発注書の記載内容

項目内容例
発注日2025年2月26日
発注者情報株式会社○○ 代表:○○○○
受注者情報フリーランスWeb制作者 ○○○○
案件名企業ホームページ制作
作業内容トップページデザイン・コーディング・レスポンシブ対応
納期2025年3月30日
報酬額200,000円(税込)
支払い期限納品後30日以内
修正対応2回まで無料、3回目以降は追加料金
特記事項データ納品形式(PSD・HTML・CSS・WordPress等)

発注書はクライアント側に署名・押印してもらい、正式な契約書として活用できます。
簡易的な案件の場合、発注書だけでも十分な証拠となるため、必ず作成しましょう。

修正対応・追加費用に関するルールを決める

Web制作で最も多いトラブルが、「想定外の修正依頼が無限に続く」問題です。
そのため、契約時点で「修正回数の制限」や「追加料金の発生条件」を明記することが重要です。

修正回数の設定例

  • 「デザイン修正は2回まで無料」
  • 「3回目以降の修正は1回につき○○円」
  • 「コーディング後のデザイン変更は別途料金」

追加費用の発生条件

  • 「新規ページ追加は1ページ○○円」
  • 「大幅な仕様変更が発生した場合は別途見積もり」

「この作業は追加費用になります」と契約時に伝えておくことで、後から料金トラブルを防げます。

支払いトラブルを防ぐ方法

フリーランスにとって、納品後の未払い・遅延は大きなリスクです。
契約書・発注書に支払い条件を明記し、リスクを減らしましょう。

支払いに関するルール設定

  • 着手金をもらう(50%前払い、50%納品後)
  • 支払い期限を明記する(例:納品後30日以内)
  • キャンセル時の費用を設定する(例:進捗度に応じた報酬)

支払いトラブルを防ぐには?
法人クライアントには請求書を発行(freeeやマネーフォワードが便利)
契約時に前払い・分割払いを提案
支払い遅延が発生したら、催促メールを送る

まとめ

フリーランスWeb制作者が契約書・発注書をしっかり作成することで、
未払い・修正対応・納期遅れなどのトラブルを未然に防ぐことができます。

契約書に「業務内容・納期・報酬・修正回数」を明記する
発注書を作成し、クライアントと認識を共有する
修正対応の回数・追加料金の発生条件を決める
支払いトラブルを防ぐために「着手金」や「支払い期限」を設定する

案件を円滑に進め、安定した収益を得るためにも、契約書・発注書の作成を徹底しましょう!