Figmaで学ぶUIデザインの基本原則:余白・配色・タイポグラフィ
UIデザインの「見た目」には理由がある
「なんとなくきれい」「おしゃれに見える」
デザインを見たとき、そう感じる裏には明確なルールがあります。
それが UIデザインの3原則、すなわち「余白」「配色」「タイポグラフィ」です。
これらを理解して使いこなすことで、誰でも“見やすく、心地よい”デザインが作れるようになります。
この記事では、Figmaを使いながらUIデザインの基礎3要素を具体的に学んでいきましょう。
まずはFigmaで「整える」練習をしよう
Figmaはデザインツールであると同時に、デザインの原則を体感できる学習ツールでもあります。
「配置」「余白」「文字」「色」を数値でコントロールできるため、
感覚ではなくロジックで整える力が身につきます。
Figmaで学ぶメリット
- ガイド・グリッド・スナップで“正確な配置”ができる
- 色やフォントの統一を「スタイル」で管理できる
- プレビューでUI全体の見やすさを確認できる
【原則①】余白:呼吸するデザインをつくる
余白があるデザイン=情報が整理されているデザイン
初心者が最初に崩しやすいのが「余白」です。
詰め込みすぎると、どんなに良い色やフォントを使っても見づらくなります。
ポイント1:要素の間に“リズム”をつくる
Figmaでは、オートレイアウト(Shift + A) を使えば
要素間の余白(Padding / Gap)を数値で設定できます。
例
- セクション間隔:80px〜120px
- テキスト間隔:16px〜24px
- カード内の余白:20px
このように数値を統一すると、ページ全体が自然に整います。
ポイント2:近い情報は近くに、違う情報は離して
「近接・整列・反復・対比」というデザイン4原則の中でも、“近接”と“整列”は余白に直結します。
見出しと本文は近く
セクション間は大きく空ける
これだけで“グループ化”され、情報がすっきり見えるようになります。
【原則②】配色:印象と視線をコントロールする
色の使い方次第で、印象も可読性も変わる
Figmaでは、右側の Fill(塗り)パネルで簡単に配色を管理できます。
ここで「明度」「彩度」「コントラスト」を意識すると、見る人の印象をコントロールできるようになります。
ポイント1:ベース・メイン・アクセントの3色ルール
配色は3色で構成するのが基本です。
| 色の役割 | 使い方 | 例 |
|---|---|---|
| ベースカラー | 背景・余白に使う | 白・淡いグレー |
| メインカラー | ブランドや見出しなどの主役色 | ブルー・ネイビーなど |
| アクセントカラー | ボタンや強調箇所 | オレンジ・グリーンなど |
例:ブルーをメインにするなら
背景を白、CTAボタンをオレンジなどで対比をつける
Figmaでは、Color Styles(右クリック→Create Style)でブランドカラーを一元管理できます。
ポイント2:コントラスト比を意識する
文字色と背景色のコントラストが弱いと、どんなにおしゃれでも「読みにくい」デザインになります。
Figmaには 「Contrast Checker」プラグイン があり、
WCAG(Webアクセシビリティ基準)に基づいて文字の読みやすさを数値で確認できます。
基準
- 一般テキスト:4.5 : 1 以上
- 見出しなど大きな文字:3 : 1 以上
ポイント3:感情を伝える色の心理効果
| 色 | 印象 | 使われやすい業界例 |
|---|---|---|
| 青 | 信頼・安心・清潔感 | IT・金融・医療 |
| 赤 | 情熱・行動・緊張 | 飲食・イベント |
| 緑 | 安心・自然・安定 | 環境・健康 |
| 黄 | 明るい・元気・注意 | 教育・子ども向け |
| 黒 | 高級・重厚・モダン | ファッション・企業サイト |
色は「雰囲気」を作るだけでなく、ユーザーに“感情の方向性”を伝えるツールでもあります。
【原則③】タイポグラフィ:文字がデザインの印象を決める
「フォント選び」は印象操作そのもの
タイポグラフィとは、文字のデザイン・配置・読みやすさの設計を指します。
Figmaでは、フォント設定・行間・字間などを細かく制御できます。
ポイント1:フォントの種類を絞る
使うフォントは2種類までが基本。
| 種類 | 用途 | 例 |
|---|---|---|
| サンセリフ体(ゴシック) | Webやアプリに最適 | Noto Sans JP / Inter |
| セリフ体(明朝) | 雰囲気・ストーリー性重視 | Noto Serif JP / Playfair Display |
見出し:太め(Bold)
本文:標準(Regular)
ボタン:中間(Medium)
ポイント2:行間・字間で可読性を上げる
文字はフォントだけでなく、余白(間隔)が読みやすさを決めます。
| 項目 | 推奨設定 |
|---|---|
| 行間(Line height) | フォントサイズの1.4〜1.6倍 |
| 字間(Letter spacing) | -1%〜+2%程度で微調整 |
| 段落間隔 | 24〜32px程度空ける |
Figmaでは右側の「Typography」欄でリアルタイム調整が可能。
見出し・本文・キャプションの階層ごとに設定を分けておきましょう。
ポイント3:視線誘導のための文字サイズ階層
| レベル | サイズ | 用途 |
|---|---|---|
| H1 | 32〜48px | ページタイトル |
| H2 | 24〜32px | セクション見出し |
| H3 | 18〜22px | 小見出し |
| Body | 14〜16px | 本文 |
| Caption | 12〜13px | 補足説明 |
このように段階を明確にすると、自然と“読む順番”ができ、ユーザーが迷わなくなります。
Figmaで練習する方法:UI基本3原則を身につけるワーク
練習テーマ例
- 余白の練習
→ オートレイアウトでカードやセクションを等間隔に配置 - 配色の練習
→ 3色ルールを使ってブランド感のある配色を作成 - タイポグラフィの練習
→ 見出し・本文・補足の階層を設定して読みやすさを比較
チェックポイント
- 余白のバランスは一定か?
- 色のコントラストは十分か?
- 見出しと本文の違いが明確か?
Figmaでは、「Component」機能で練習用のテンプレートを作っておくのもおすすめです。
まとめ:Figmaは“美しさの理由”を学べるツール
「なんとなく整っている」ではなく、「なぜ整っているのか」を理解するのがデザインの第一歩です。
- 余白:空間で情報を整理する
- 配色:印象と導線を作る
- タイポグラフィ:文字で信頼を伝える
この3つを意識するだけで、
どんなデザインも一気に「プロっぽく」なります。
Figmaは、“感覚を数値化できるツール”。
感性ではなく、ロジックで整えるデザインを今日から練習してみましょう。
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