コンポーネントとオートレイアウトを使いこなす!Figma中級者講座

Figma中級者へのステップアップ

Figmaを使い始めた頃は、図形を配置してテキストを入れるだけでもワクワクします。
しかし、デザインの規模が大きくなると「修正が面倒」「整列が崩れる」「更新に時間がかかる」といった壁にぶつかります。

その壁を乗り越えるためのカギが、コンポーネントオートレイアウトです。
これらを理解すれば、Figmaでの作業スピードが2倍、チーム全体の整合性も劇的に向上します。

コンポーネントとは?:再利用できる「デザインの部品」

▶ コンポーネントの基本

コンポーネントとは、再利用できるデザインパーツのことです。
同じボタンやカードを何度も作る代わりに、1つの元デザイン(マスター)を作り、それをコピーして使う仕組みです。

  • ボタン
  • ナビゲーションバー
  • カードレイアウト
  • フッター

これらをコンポーネント化しておくことで、変更が一括反映されます。
たとえば「ボタンの角丸を8px→12pxに変更」しても、全ページのボタンが自動で更新されます。

コンポーネントの作り方(実践編)

ステップ1:要素をまとめる

ボタンのようなパーツを選択して、
右クリック → Create component(または Cmd+Option+K)を実行。

これで紫色の枠がついた“コンポーネント”になります。

ステップ2:インスタンスとして配置

作成したコンポーネントをコピーすると、
元デザインとリンクした“インスタンス”が作られます。
見た目は同じですが、編集権限は制限され、
元(マスター)を変更すると全てのインスタンスが自動更新されます。

ステップ3:Variant(バリアント)で状態をまとめる

ボタンのように状態が複数ある場合は、「Variant(バリアント)」機能で統一しましょう。

  • 通常(Default)
  • ホバー(Hover)
  • 無効(Disabled)

右パネルの Component Set にまとめておくと、
プロトタイプで「Hover状態への切り替え」も簡単に設定できます。

オートレイアウトとは?:柔軟に動く「レイアウトの骨格」

▶ オートレイアウトの基本

オートレイアウトとは、要素の位置や余白を自動調整する仕組みです。
ボタンやカードなど、内容が変わってもデザインが崩れない構造を作ることができます。

  • ボタンの中の文字が長くなっても自動で幅が広がる
  • テキスト数が増えてもカードの高さが調整される
  • レスポンシブなリスト配置ができる

ステップ1:オートレイアウトを適用する

選択したフレームに対して
Shift+A を押すと「Auto Layout」が追加されます。

右パネルで設定できる主な項目は以下の通り:

設定項目説明
Direction横並び or 縦並び
Spacing要素間の距離
Padding内側の余白(上下左右)
Alignment整列位置
Resizingコンテンツに応じたサイズ変化

ステップ2:テキストに合わせて自動伸縮

ボタン内のテキストが長くなっても、
「Resizing」を Hug contents に設定しておけば自動で幅が伸びます。

Hug contents = コンテンツに合わせてサイズを調整
Fixed width = 固定幅
Fill container = 親要素に合わせて伸縮

これらを組み合わせることで、柔軟で壊れにくいUIが作れます。

コンポーネント × オートレイアウトの黄金コンビ

▶ 例:ボタンを作る場合

  1. フレーム内にテキストを入れる
  2. Shift+Aでオートレイアウト化
  3. 背景色・角丸・パディングを設定
  4. 右クリック → Create Component

これで「中の文字を変えても崩れないボタン」が完成します。

▶ 例:カードを作る場合

  1. 画像+タイトル+説明文を縦に配置
  2. Shift+Aでオートレイアウトを適用(縦方向)
  3. Gapを24pxなどに統一
  4. 背景を付けてComponent化

さらに、複数のカードを並べたい場合は
親要素に「Auto Layout(横方向)」を設定すれば、整列が自動化されます。

実務で役立つ使い方:デザインシステムの基礎

コンポーネントとオートレイアウトを組み合わせると、
デザインシステムをFigma内で構築できます。

メリット

  • ボタン・フォーム・カードなどの統一ルールを管理
  • ページ間でデザインの一貫性を保てる
  • 修正が一括反映されるので保守コストが激減

具体例

コンポーネント名説明
Button / Primaryメインボタン
Button / Secondaryサブボタン
Input / TextField入力フォーム
Card / Product商品カード
Navigation / Headerグローバルナビ

これらを Assetsパネル からドラッグ&ドロップで呼び出すことで、
チーム全体のUI整合性が維持できます。

中級者にありがちなミスと回避法

ミス原因対策
コンポーネントが増えすぎるネーミングルールが曖昧「Button / Primary」など階層名で整理
Auto Layoutが崩れる親子レイヤー構造が複雑1フレーム=1役割を意識
サイズ調整が面倒Resizing設定の不統一Hug / Fill / Fixedを明確に分ける

Figmaでは構造が整理されているほど、修正が速く、他人も理解しやすくなります。
“整える力”が中級者の証です。

練習方法:小さなパーツから構築する

練習課題例

  1. 「ボタン」「フォーム」「カード」をそれぞれコンポーネント化
  2. Variantを使って状態(Hover, Active)を追加
  3. Auto Layoutでレスポンシブ対応を試す

おすすめ練習テーマ

  • ボタン図鑑を作る(Primary / Secondary / Ghostなど)
  • フォームレイアウトを再現する(入力欄・ラベル・ボタン)
  • カードUIを設計する(画像+テキストの組み合わせ)

少しずつ「構造を考える癖」をつけると、
デザインの再現性とスピードがどんどん上がります。

まとめ:中級者は“再利用できるデザイン”を作る

初心者が要素を「配置する人」だとしたら、
中級者はそれを「仕組み化する人」です。

  • コンポーネントで「統一性」を作り
  • オートレイアウトで「柔軟性」を保ち
  • VariantやStyleで「再利用性」を高める

これこそが、Figma中級者に求められるスキルです。

“きれいに見せる”ではなく、“整って動くデザイン”を作る。
それがFigmaで学ぶ次のステージです。

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